プーケット ココナッツビレッジリゾート
プーケット パトンビーチ ココナッツビレッジリゾート
乾期のピーク時にホテル宿泊代が二倍以上に跳ね上がるというパトンビーチにおいて、リニューアルしたてのデラックスルームに2000バーツという脅威の安値で泊まれるというプランにつられて予約してしまった・・・あたす。 記憶ではスーペリアルームは1400バーツとかそんなもんだった気がする。ゲストハウスではないパトンビーチのホテルでピーク時にこれを出すっていうホテルは結構少ないかも。
さあ、この写真にだまされる素敵なホームページをごらんあれ。
プールはこの見た目の4分の1だっていうことをまっさきに断っておきたい。 ええ、そうですよ、そんな値段で泊まるのに何を求めるというの、ええ、わかっておりますとも。
今思い出しても吹き出すな。いやー、とにかくシュールだったな。シュールなセンスが研ぎ覚まされている人にしかわからない中途半端な「昭和ワールド」とへぼへぼな世界を味わいたい方にオススメしたいホテル??? ただし、最後の方に満塁ホームランの感動的なサービスで、いい思い出を残してくれたホテル。 施設はあまりにも脱力っていうか、情けないので、とりあえずリニューアルしたばかりと思われるデラックスルームの写真を2枚ほど掲載するのみでとどめさせていただこうと思う(自爆)。
場所は、パトンの繁華街からは少し離れた、とはいっても徒歩で移動ができちゃう程度のなかなか良い環境。ちなみにビーチも徒歩すぐ。中級から高級までホテルが集まっている地区にある。 エントランスはオープンエアで、一目見ただけで「あー、昔からあるリゾートホテルなんだろうなあ」というちゃっちぃけど少しはリゾートっぽい作り。 世界の時間を示す、古い小学校か古い病院にある種の無機質な時計があるのは、古くからあるホテルや旅館のお約束?すでにここから昭和のかおりがぷんぷんに漂ってくる。
一応リゾートなので?ウエルカムドリンクが出てきた。
・・・ちゃっちいオレンジジュースのウエルカムドリンク。 しかしこのエントランス+ロビーってのがまたすごいんだ。
オープンエアーのロビーの家具はこれまた昭和にはやったような籐の椅子に花柄のクッション(オフホワイトにすればまだアジアっぽいのに・・・)、籐にガラスのテーブル(ガラステーブルも昭和に異常に日本で流行ったよね)。
バゲージカウンターには、信じられないくらい不幸顔(事実)の、ほそーい男の子がハナクソをほじりながら寂しそうに下をうつむいている。 人がいないわけではないのに、活気というものをまるで感じない。 ここはトワイライトゾーンなのか? まずBGMがリゾートとか海とか全く無視。いきなりボンジョビの「リビングオンプレーヤー」でお出迎え(爆笑死)。うっそ?1980年代ハードロックで突き進むのか?とわくわくしながらウエルカムドリンクを飲んでいると、お次はバックストリートボーイズが「テルミーホワーイ?」と囁きかけてくる。 な、な、なんなんだ?この選曲。ちなみに翌日大音響で「スリラー」がかかっていた時も(今ならともかく)、どういうチャンネルなのか問いただしたい雰囲気だった。 視線の先にはこれまた昭和によく見られた喫茶店のウインドウにあるサンプルが・・・。 毒々しい色のカクテルのサンプルが・・・「ハートカクテル風」またはトム・クルーズの「カクテル」風の照明(わかる?「SUNSET」とか、あの文字をかただとった照明器具!)の前にディスプレイされていて、昭和マニアにはたまらない光景。
あたし熱海の中途半端なままの大型ホテルにきたんだっけ?あれ?鬼怒川だったかな。
とりあえずフロントから部屋へ。一応プールがあるものの、これまた小さい上に・・・「なんかこれ小学校の時にみたことある」と思うようなプールサイドの雰囲気。 バーカウンターには誰もおらず、雑然としているけど、ここにも「ハートカクテル」風のディスプレイでカクテルのサンプル(しつこいっての!)。そして、不必要にでかいバスケットゴールと飛び込み台、滑り台。こんなに小さなプールじゃ3つともできないと思うんだけど。
しかも水がよどんでいる。キタネエー。
で、このプールサイドに大音量でかかっていたのが「フューイルイス&ニューズ」の「パワーオブラブ」(爆笑死)
・・・デロリアンでマイケルJフォックスと一緒に過去に行きたくなってきた。
こんなへぼへぼなリゾートだけど、プーケットのホテルの素敵なところは少しはある。
廊下ではなく緑生い茂る庭を通って部屋にたどり着くあたしの部屋、へんな裏口(といってもすぐ表通りに出れる便利なドア)のまん前じゃん!しかもあけっぱなし!これ物騒なんだけど(驚愕)!
一応テラスらしきものはあるけど、横がすぐ道路なので、ぜんぜん寛げないし!しかも1階だから絶対こんなとこでのんびりできないっての。 おまけに部屋のドア・・・窓ガラスです(大爆笑)。
このテラスの窓がドアの役割を果たしていて・・・とーぜんガラスだから割って入られたらすぐドロボーとファイティング。えーーー。しかも妙に鍵が開けづらい。チェックアウトする直前まで覚えられず、20分は格闘して、部屋に入る前にぼこぼこになるまで蚊に刺されたぜ。 きっと室内はリニューアルしたてのデラックスルームだから素敵よね・・・って思ったんだけどさあ。 ・・・暗い。昼だってのにあんまり日が当たらない。だから仕方がなく真昼間なのに、電気をつける(号泣)。 ・・・こんな感じ。
一応リニューアルしたてだからフロントやプールと違って、モダンな家具がすっきりとした感じ。写真撮り忘れたけどバスルームが一番良かったかな。 コロンとしたバスタブで、ユニークだった。もちろん流行の「こんにちわ窓付」。 ただしこのホテルの場合、窓を開けても景色が何もないので意味がないように思う。おまけに窓がドアで1階なもんで、カーテン閉めておかないとお風呂も丸見え、部屋でのお着替えもまるまる見え。あー・・・二度と泊まるかこんなところ!と、壁を打ち付けたくなる衝動を必死で抑える。
ま、たまたまこの時は2泊3日で、イベント三昧。ホテルには寝に帰るだけだったので、素敵なホテルだったらきっと出たくなくなっちゃったから良かったかも。
これで朝食がぶっ飛ぶほどおいしかったら、全部ゆるしちゃうんだけどねー、なんて朝を迎えて呆然・・・。 これまた全然おしゃれじゃない、昭和の喫茶店風のレストランには、なんだか最悪を通り越した凶暴なお客様方が。 な、何でインド人だらけなんだ・・・しかもみんな血走った目をしている。でっぷり太っている。 そしてじろじろこちらを見る。ファランがいてもこれまたでっぷり太った、首がよれよれのTシャツに短パン、そして真っ黒でスタイルはいいけど「猿系」の女子をもれなく連れている。 うわあ、客層最悪じゃーん。 せめてプールサイド側にいこうとしたら、これまた声の馬鹿でかい韓国人のおばさん二人が、キンキン声でなんかしゃべってて、だめ。室内のどうでもいい席に座る。
そして薄汚れた壁際には片手に収まるほどのビュッフェ。
その皿には・・・干からびたほんのわずかな料理、そして既に何もない皿も。 補充するだろうな、と思って待ってたらなんの予告もなく片付けはじめる始末。
なにぃいいいい???
必死に少ない干からびた料理をかき集めてみた・・・ まず一応作ってくれる卵コーナーで、目玉焼きを・・・あとは・・・パンはトーストと、どうでもいい固そうなパンだったため無視して、ご飯コーナーへ。
タイには珍しくおかゆもない。
で、普通、タイっていためたご飯って「カオパット」じゃん。・・・ここはすごいんだ。1日目はなぜか「ナシゴレン」具ナシ。・・・え?インドネシア料理?、2日目は驚きのケチャップライス(驚愕)。これも具は入ってません! その他干からびたハム、プラスチックみたいな味のするソーセージ。 めんどくさそうについでくれるドロ水みたいなコーヒー。 そして流れる「バックストリートボーイズ」「ヴァンヘイレン」・・・あーっはっは、気が狂う。
やけっぱちになったあたしは、せめて最後にプールで泳いでみようと、ぽちゃぽちゃ泳いでみたものの、これまたイタリア人の最悪の家族連れがマナー違反でさわぎまくり、バスケットのゴールにボールを投げ入れている。 小さいプールなのでぐるぐる何周も泳がないといけないんだけど、何周目かに悲劇が起こった。
ばぁーん!
・・・あれれ?目の前が真っ白に・・・。そのイタリア人家族が放ったボールがあたしの頭を直撃したのである。
「むきぃいいいいいい!」
笑いながらソーリー、といわれたがあたしゃものすんごい目で睨んでやった。縮みこむケムクジャラオヤジ・・・。日本語で「いってーんだよ!バーカ!」と怒鳴ったところ、怒りが伝わったのかしゅーんとしてしまった。 あたりまえだっての!この状況でボールがぶつかるのは当たり前だっての!ぶつかる前に自粛しろっての!これだからバカファランはよぉおおお!
もう、出よう。もうこんなホテル、今すぐ出てやるむきぃいい・・・半べそで荷物を積め、気がつけばチェックアウトしようと思ってた時間。あ、そういや昨日「何時にお帰りになりますか?」ってなぜか電話があったんだよな。その日の前日はなんだかとんでもないことになったイベントがあったため、足が棒になっており、ぎりぎりまで部屋にいることを伝えたんだった。
で、ドア兼窓のカーテンを開ける・・・ん?
そこにはぴしっとした男が3人。荷物のカートを持って立っている。 カーテンの隙間から目が合うと、どう見ても一番賢そうで一番身なりのいい男性がこう叫んだ。
「ミスよっしー、お手伝いに参りましたでげす!」
・・・。
な、な、なにぃいいいいいい? なんなんだ?この6つ星以上の素晴らしい待遇は。全てが赤点落第の脱力のホテルにおいて・・・超豪華ホテルですら「荷物をはこんでちょうだい」と電話しないと来ないバゲージサービス、おまけに時間より先に来て、せかすことなく静かにドアの外に待っている・・・しかもなんとうやうやしくきちんとした態度であろう。昨日電話をくれたのはこのサービスをするためのものだったんだ。
じぃーん。
この瞬間にも「パワーオブラブ」がちんけにかかり続けるも、朝飯のまずさや、さっきのボールの激痛がすーっと引いていく。 施設で補えない、ダサさを変えられない、経費を節約しなくてはならないこのホテルにおいて唯一できる最上のサービスが、従業員を使っての最高のお見送りに違いない。
この日、プーケット空港を15時代の出発だったあたしは、この後パトンビーチのホテルめぐりをして時間をつぶすため、ぷらぷらしてみたく、「車を予約してあるから13時に戻ってくるよ」と、仕事のできそうなポーターのリーダーに頼むと「かしこまりましたでげす」と笑顔で対応。 また、このホテル、近くにホテルが集中している割には信号などがない1本道がビーチまで続いているため、数秒歩いただけでタクシーやリムジンが車を止めているゾーンがあり、直接料金表を表示していて、ボルことのない状態で運ちゃんにお願いできる。 「15時すぎの飛行機なの」「んじゃ14時に着けば余裕でげす」「13時20分でいいよ。国際線じゃないから」「わかったでげす。ホテルはどこでげす?」「あ、ココ・・・」「ココナッツビレッジリゾートでげすね」 ・・・ハイ、このホテルは老舗ホテルなので周囲の運ちゃんも熟知しておりこのへんも非常にありがたい。
そう!施設以外では頼れるホテルだと評価して・・・おこうかな(笑)。
メリルンやら、アブソルートといったパトンの有名ホテルから、かわいらしいブラサリなど、のんびりとホテルのエントランスを見てまわり、パンフレットもいただきつつ戻ってくると・・・
「!!!!」
さっきの仕事のできそうなポーターがリムジンにあたしの荷物を積んでいるではないか!
既にリムジンのおじさんから「何時にどのゲストだい?」と聞いて判断していたのだろう。しかもポーターはあたしの顔を見つけ、「ミス、よっしー。お荷物はこちらでよろしいでげすか?」と積みながら笑顔で問いかけてくる。 こいつ、できる! まさかこのホテルにこんなに仕事ができる凄いキャラクターが隠れているとは。 まさに最後に場外大ホームラン。これだからホテルめぐりはやめられない。ありがとう、史上最強の中途半端ホテルよ!そして永遠にさようなら(爆笑)。
このホテルの良い所 1.安い!値段の割には部屋は良い 2.ビーチにも繁華街にも徒歩圏 3.格式ばっていないのでホテルの豪華さやサービスを求めず自由にありたい人はいいかも 4.老舗ホテルのため、町中でタクシー拾ったりバイタク拾ってもみんな知ってます 5.デラックスルームのみのサービスだと思われる最後のバゲージサービスはすばらしかった。他のカテゴリーの部屋も、内線で呼べば1人はきてくれると思います。
このホテルの悪い・・・ってか笑えて仕方がないところ 1.施設が中途半端にふるい。バブル崩壊後に壊滅状態になった温泉街の大型ホテルのような。 2.BGMが爆笑必須のセンス。恐らく50歳代の人欧米人が「なつかしー!」と言うか、それ以下の人が「だっせぇ」と思うかんじ。古いなら古いでとことん古い選曲でもいいと思うのだけど、1980年代のバブルくささというか小林克己が出てきて「ベストヒットUSA!」と耳元で叫んで消えていきそうな。 3.部屋に酔って違うと思うけど、部屋のドアが、窓兼用になっている。廊下がなく、いきなり屋外から部屋に入るため、落ち着きを感じられない。特に1階の部屋は人の目を気にして常にカーテンをひかねばならない窮屈さを感じる。 4.ポーターの1人を除き、やる気のない従業員が多い 5.客層が恐ろしいほど悪い 6.朝ごはんは食べない方がいい。あんなもんでカロリーとりたくない。 7.プールが汚い上に狭い。 ・・・えーっといいところ以外はまあ、全部良くないところだと捕らえた方がいいかもしれません。が、あの値段だったら仕方がないかも。
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